線維筋痛症
線維筋痛症は、全身の筋肉や関節に広範囲の痛みを感じる慢性疾患です。疲労感や睡眠障害、集中力の低下、頭痛、抑うつ状態などを伴うことが多く、特定の原因がわかっていないため、診断が難しい場合もあります。痛みは特に朝に強く現れることが多く、生活の質に大きな影響を与えます。
睡眠と疼痛は深い関係があります。疼痛があると睡眠障害を起こしますが、逆に睡眠障害が改善しないと疼痛緩和が起こりにくい事が知られております。
当院で線維筋痛症に睡眠時無呼吸症候群など治療も併用でき疼痛が緩和する方も多くおられます。
セルフチェック
- 全身の広範囲に痛みを感じていませんか?
- 朝起きた時に特に痛みや疲労感を感じますか?
- 睡眠が浅く、常に疲労感を抱えていますか?
- 長時間立っていると体の痛みが増してきますか?
治療方法
- 薬物療法
- ロキソプロフェン(ロキソニン)などの消炎鎮痛薬は効果がありません。線維筋痛症は消炎鎮痛薬では効果が認められません。
- 運動療法
- 軽いストレッチや有酸素運動で筋肉を和らげ、全身の緊張を解消します。
- リハビリテーション
- 理学療法士による指導で痛みの緩和と身体機能の改善を図ります。
疼痛緩和高周波温熱療法により筋肉の緊張、凝りを取ることが有効です。 - カウンセリング
- 疼痛緩和に有効な認知行動療法があります。当院では専門の臨床心理士による治療を受けられます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まることによって、睡眠の質が著しく低下する状態です。日中の強い眠気、集中力の低下、いびき、夜間の頻尿などが主な症状です。放置すると、高血圧や心血管疾患、脳卒中などのリスクが高まります。
セルフチェック
- 朝起きたときに頭痛や疲労感がありますか?
- いびきをかくことが多いですか?
- 日中に眠気が強く、集中力が続かないことが多いですか?
- 夜間に何度もトイレに行くことがありますか?
治療方法
- CPAP療法
- 睡眠中にマスクを装着し、気道に空気を送り込んで無呼吸を防ぐ治療法です。
- 口腔内装置
- (当院ではしていません)
専用の装置を口に装着することで、下顎を前方に引き出し、気道の閉塞を防ぎます。 - 体重管理
- 過体重は睡眠時無呼吸症候群を悪化させるため、適切な体重管理が重要です。
- 外科手術
- (当院ではしていません)
重症例では、気道を広げるための手術が行われることもあります。
起立性調節障害
起立性調節障害は、自律神経がうまく働かず、立ち上がったときに血圧が低下してめまいや失神を引き起こす症状です。特に思春期の子どもや若年層に多く見られ、朝に起きづらい、立ち上がるとすぐに疲れるなどの症状が現れます。
セルフチェック
- 立ち上がったときにめまいや動悸を感じますか?
- 朝、起きるのがとても辛く、日中も疲れやすいですか?
- 立っていると気分が悪くなり、座っている方が楽ですか?
- 頭痛や腹痛、動悸を感じることが多いですか?
治療方法
- 薬物療法
- 血圧を安定させる薬や自律神経を調整する薬を使用します。
- 生活習慣の改善
- 規則正しい生活リズムの確立や、塩分の摂取を増やすことで、血圧の低下を防ぎます。
- カウンセリング
- 心理的なサポートを行い、生活の質を向上させます。
生活習慣病
生活習慣病は、不規則な生活や食生活の乱れ、運動不足が原因となって発症する疾患群です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などが代表的で、放置すると動脈硬化や心疾患、脳卒中のリスクが高まります。
うつ病、慢性疼痛、線維筋痛症などの方は日常生活での活動量が低下し、生活習慣病の併発が増えます。生活習慣病を薬物療養などで軽快すると、活動性が上昇しリハビリテーションや運動療法が出来るようになり、うつ状態、疼痛緩和が起こります。
難治性うつ病、難治性疼痛の方には特に生活習慣の改善が大切になります。
セルフチェック
- 食生活が不規則で、脂っこい食事が多いですか?
- 運動不足で、日常的にあまり体を動かしていませんか?
- 最近、体重が増えたり、血圧や血糖値が高いと指摘されたことがありますか?
- 喫煙や過度の飲酒を続けていますか?
治療方法
- 食事療法
- バランスの取れた食事を心がけ、塩分や糖分の摂取を抑えます。
- 運動療法
- 毎日の適度な運動で血圧や血糖値をコントロールします。
- 薬物療法
- 以前から高血圧、糖尿病、高コレステロール血漿に有効な薬物がありますが、近年今までになかった中性脂肪を低下させる薬物が特に治療に有効です。この薬は脂肪肝にも有効です。
- 生活習慣の改善
- 禁煙や飲酒の制限、ストレスの軽減なども重要です。
痛覚変調性疼痛(神経障害性疼痛)
痛覚変調性疼痛(神経障害性疼痛)は、神経や脳の働きによって痛みを過剰に感じる状態です。実際に損傷や外傷がないにもかかわらず、持続的な痛みを感じることが特徴です。頭痛や関節痛、筋肉痛が主な症状で、慢性化しやすいです。
セルフチェック
- 怪我や病気の原因がないのに痛みを感じ続けていますか?
- 普通の刺激(例えば、軽いタッチ)が痛みとして感じられることがありますか?
- 慢性的に頭痛や筋肉痛、関節痛に悩まされていますか?
- 痛みが続くことで、日常生活に支障をきたしていますか?
治療方法
- 薬物療法
- 基本的には神経障害性疼痛に有効な薬物があります。
- カウンセリング
- 痛みに対する心理的な負担を軽減するためのカウンセリングを行います。
- 理学療法
- ストレッチや運動によって筋肉の緊張を解消し、痛みを緩和します。
疼痛緩和高周波温熱療法により筋肉の緊張、凝りを取ることが有効です。